Weekend House in Atami (2005)
緩やかにインターロックするボリューム
海と山に囲まれた熱海の傾斜地に建つ週末住宅の計画である。隣地に建つ施主とその家族により30年来利用されてきた開放的な平屋建ての建物を機能的に補完するように、個人が干渉されることなく自由に過ごすための空間としてこの建物は計画されている。全体としては,構成要素である3つの個室とラウンジが敷地環境、眺望といったパラメーターのもとに設定された直径6m、高さ12mの円柱形の基本ボリュームの中に、ちょうど石垣を積み上げるようにコンパクトかつ緩やかに組み合される。
各個室のプランは基本的には円形であるが、その両端をつまんで中央にくびれを与えることで不均質な3つの空間を内包し、それぞれに異なる機能が与えられる。それぞれの個室はメインエントランスとダイレクトにつながれ、ちょうど小さなホテルのような空間として機能する。眼下に拡がる風景を取り込み非日常性を獲得するこれらの室を包み込む大きな穴と隙間から構成される巣穴のような場所の提案。
- SD Review 2005入選
- Client: private commission
- Program: weekend house
- Area: 125sqm
- Site: 静岡県熱海市