akk architects

Nature,technology,tradition and future

exterior facade

Ginza Project
(2015-2016)

創業120周年を迎える英国ブランド日本初の旗艦店であり、銀座数寄屋橋交差点に位置する複合商業施設の路面店です。約120年もの歴史の中で培われたブランドのもつ哲学・文化を経験するための場所であると同時に、銀座という街のストリートをかたちづくるひとつの要素となるにふさわしい品格と清潔感のあるファサードおよびインテリアデザインを目指しました。

2層からなる空間全体の基調となるのは、ブランド発祥の地であるイギリスの伝統的なタウンハウスです。そこは「消費」のための陳列の場所ではなく、「経験」を尊重するための場所として小さいながらも質感の異なる空間体験や居心地の良さを大切にしています。現在も変わらぬクラフトマンシップによってGLOBE-TROTTERが体現する「高貴さと冒険心」、「優美さと強固さ」といった相反する質がひとつのものへと織り上げられるように、クラシカルな様式の中にコンテンポラリーなマテリアルやテクノロジーにしかできない装飾が融合した空間となっています。

また、2階の特別なラウンジ空間はライフスタイル価値観を共有するLeicaやBang & Olufsenなど複数のブランドからなるブランド・アライアンスでシェアする場として、ブランド価値体験と社交を可能とします。いわゆるショップと呼ばれるような場所ではなく、GLOBE-TROTTERがもてなす、まさに『home』のような空間を目指しました。

  • Client: Globe-Trotter
  • Program: flagship store / lounge
  • Area: 地上2階 / 310sqm
  • Site: Ginza, Tokyo
  • JCD Desing Award2016 入選
  • Photo: Nacasa & Partners Inc.

Home for Luxury Adventure

1階の店舗(130sqm)は銀座のストリートにつながるレセプションから各部屋へとアクセスする`room to room’の空間構成で、ユーティリティを除くと5つの部屋に分節されます。GLOBE-TROTTERのもつ様々な世界観や文化をひとつひとつの部屋ごとに体験できるような計画です。

メインアクセスのあるレセプションには貴重なアーカイブや限定コレクションなどを展示することでブランドの持つ歴史を表現します。room1からroom3は古典的な装飾を基調とした落ち着きのある空間としながらも、各部に現れる色や曲面といったディテールの扱いに変化を与えることで一貫性を保ちつつ異なる雰囲気を持ち、そのなかで様々なスタイルの体験が可能です。らせん階段の納められた階段室はストリートに面するウィンドー・ディスプレイの機能をあわせ持ち、ライムストーンで仕上げられた美しいらせん階段がその背景となります。

これらの要素が空間体験を重厚で貴重なものへと高めます。

  • room 2
  • room 2 to room 3
  • Spiral stairs : Fusion between Stairs and Display stage

    外堀通りに面する階段室基壇部はディスプレイのためのステージとして機能します。おおらかな曲線を描くらせん階段と外壁廻りの曲面を用いたディテールがブランドの持つ柔らかさと優美さに呼応します。

    Detail : Fusion between Classic and Contemporary technology

    1階レセプションの照明が組み込まれた天井や空間にちりばめられた装飾はブランドアイデンティティであるモノグラムや古典の様式を踏襲しつつ、現代的な素材やテクノロジーを援用することでコストや時間のコントロールを行っています。古典に現代的な解釈を付与することで新しさを見出します。

  • entrance space
  • reception space
  • room 3
  • spiral stairs from street